こんにちは!どらじです。
この記事では
- 今年放射線科専門医試験を受験予定
- 放射線科の後期研修医で2-3年後に受験予定
という先生方に向けて放射線科専門医試験の対策について紹介していきます。
主に診断専門医を目指す人向けの内容です!
放射線科専門医試験は毎年8月末頃に試験の日程が組まれていますが、詳しい日程はJRSのホームぺージに掲載されますので、そちらを確認しましょう。
放射線科専門医試験対策に役に立つ本・教材
過去問
兎にも角にも過去問が重要です。過去に同じ問題が複数回出題されていますし、時折使いまわされている問題もあります。
過去問3-5年分、さらに理想をいえば時間が許す限り昔の過去問にさかのぼっても良いと思います。
解きなおしが済んだら、【非公式】放射線科専門医・診断専門医試験 解答例のサイトで答え合わせをし、解答作成者のコメントに目を通し、間違えた点や分からなかった点を勉強して知識を深めましょう。
過去問はJRS会員専用ページにログインして左の欄にある『専門医試験問題』からPDFで手に入れることができます。
一番直近の試験問題については、試験終了後から2-3ヶ月程度でアップロードされるようですが詳しい時期についてはJRSにお問い合わせください。
放射線科レジデントセミナー スライド&講義
毎年12月に行われる放射線科レジデントセミナーのスライドです。
レジデントセミナー自体は3日間会場に缶詰になるハードな日程ですが、勉強になります。
- 基礎・診断・核医学・治療の全33分野を網羅
- 必要な情報がスライドに簡潔にまとまっている
という点が勉強する上でとてもありがたく感じます。
特に基礎分野の勉強に関しては個人での勉強がなかなか難しいため、レジデントセミナーのスライドと過去問を軸に勉強していくことをおすすめします。
セミナースライドの中身は毎年それほど大きく変わらないようですが、講師やカリキュラムが変更されると変わる可能性があると思いますので、できたら最新のレジデントセミナーに参加するようにしましょう。
なお放射線科レジデントセミナーの詳細は日本放射線科専門医会・医会のホームページに掲載されますので、そちらを確認するようにしましょう。
レジデントセミナーはしんどいけど勉強になるよ!
放射線診断分野
『KEYBOOK』シリーズ
放射線診断分野の勉強は、KEY BOOKを中心とした勉強でよいと思います。解説欄の下に書いてある『鑑別診断のポイント』に出てくる鑑別疾患についても勉強しておきましょう。
時々出てくる難解な問題については、ネット上の文献やサイトで調べましょう。
『真っ先に覚えておきたい画像診断の「サイン」』
放射線科専門医試験(一次試験)は画像が提示されず、文章のみで問題が構成されています。
そのため、『〇〇の疾患で認められるサインはどれか』というサイン問題が高頻度で出題されます。
これまで胸部領域や婦人科領域のサインをまとめた特集はありましたが、この雑誌は全ての範囲をカバーしているため、試験勉強の強力な助っ人になると思います。
ぜひ〇〇signと実際の画像を結び付けて覚えるようにしましょう。
茶々。さんから過去に出題された胸部領域のサイン問題のまとめ(2014年以降の胸部領域)を頂きましたので、掲載させて頂きます!ありがとうございます!
胸部X線写真でみられるサイン
air crescent sign, apical cap, cervicothoracic sign, continuous diaphragm sign, deep sulcus sign, extrapleural sign, finger-in-globe sign, gloved finger sign, hilum overlay sign, Incomplete border sign, inverted S sign, juxtaphrenic peak sign, knuckle sign, meniscus sign
CTでみられるサイン
crazy-paving appearance, CT angiogram sign, galaxy sign, halo sign, head cheese sign (three-density pattern), reversed halo sign, S sign of Golden, sail sign, wavy sign
核医学分野
『核医学ノート』
それぞれの分野の核医学検査の
- 解剖と生理
- 放射線医薬品・検査方法
- 臨床的意義・正常像・異常像
について簡潔にまとめてあり、試験勉強に非常に使いやすい本だと思います。
内容について知りたい方は、こちらの記事でレビューしていますので、良ければご覧ください。
『わかりやすい核医学』
カラーでとにかくきれい・見やすい・まとまっているというのが特徴です。
内容は核医学ノートと類似しているところもありますが
- 各疾患の所見についてより細かく書いてある
- カラーのシェーマ・症例画像の数が非常に多くてわかりやすい
という点が非常に役に立ちます。
核医学分野の問題では各疾患の所見について問われることもありますので
この本で実際の画像を見ながら詳しく勉強するのもオススメです。
この本もこちらの記事で内容のレビューを書いていますので、中身が気になる方はご覧ください。
核医学ノートとあわせて持っておくと心強いね!
放射線治療分野
『放射線治療計画ガイドライン』
放射線治療分野の勉強をしていく中でわからないことがある時には
- 治療分野のレジデントセミナースライドをチェックする
- 足りない情報がある時に放射線治療ガイドラインを参考にする
だいたいこの2つで何とかなります。
治療分野はほとんどの問題が疾患各論なので、それについてまとめてあるこの本があると非常に勉強しやすいです。
『放射線治療 基礎知識図解ノート』
放射線治療の基礎知識だけでなく、放射線生物学についても勉強できる本です。
- 過分割照射・寡分割照射などの照射法について知りたい!
- 耐用線量、L/Qモデル、α/β比などがよく分からない・・・
という先生方は、この本とレジデントセミナーの資料で理解が深まると思います。
放射線生物学むずかしい・・・
『やさしくわかる放射線治療学』
こちらも、以前専門医試験対策について特集した『臨床画像』の雑誌の中で、放射線治療分野の対策におすすめされていた本です。
放射線科専門医試験の対策に必要な本・教材のまとめ
放射線科専門医(一次試験)の試験対策についてまとめました。
過去問と放射線科レジデントセミナーのスライドを軸として
放射線診断分野では
核医学について詳しく勉強したい!という人には
- 『KEYBOOK』シリーズ
- 『真っ先に覚えておきたい画像診断の「サイン」』
核医学分野の勉強には
- 『核医学ノート』
- 『わかりやすい核医学』
放射線治療分野の勉強には
- 『放射線治療計画ガイドライン』
- 『放射線治療 基礎知識図解ノート』
- 『やさしくわかる放射線治療学』
も参照しながら勉強していきましょう。
紹介した本・教材をうまく活用して効率よく勉強していこう!
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