
こんにちは!放射線診断専門医として働くどらじです。
この記事では、放射線診断医にとって重要な業務のひとつである、CTやMRIの指示出しに役に立つ参考書籍を紹介していきます。
- CTやMRIの指示出しに不安を感じている後期研修1年目の先生方
- 疾患に応じた撮影法を自分で考えられるようになりたい先生方
にとって、ヒントになる内容をまとめています。
適切な撮像タイミングやシークエンスを選び、病変をきちんと描出できるようにするには、ルーチンの撮像プロトコルに関する理解や、疾患に合わせたオプションの追加撮像などの知識を、少しずつ積み重ねていくことが大切です。
今回は、それらの勉強に役に立つ参考書籍をまとめてみました。読影の合間やすきま時間に、少しずつ指示出しに関する知識を身につけていきましょう。
CT・MRIの指示出しに役立つ参考書籍
CT・MRI実践の達人
CT・MRIの各領域の撮影ごとに、推奨プロトコルおよび簡潔な解説が記載されており、非常に実用的で日常使いしやすい本です。聖路加国際病院放射線科のレジデントの先生方が書かれた書籍であり、若手目線でも親しみやすい本だと思います。
症候別画像診断プロトコル
増刊号だけあって、非常に幅広い範囲で解説されています。じっくり読んで勉強するには最適な書籍だと思います。
- 症状別に何を疑って何を撮影すればいいかの最善および次善プロトコル
- 多くの施設で既にルーチン化されている、悪性腫瘍の精査のための標準撮影プロトコルについての解説
- Dual-energy CT, 3T MRIについての少しニッチな指示出し
- CTやMRIの技術的解説
- 各ベンダーにおいてメーカー推奨シーケンスがどのように決められているかの解説
CT検査の指示出し:検査依頼に応える撮影プロトコル
CTの指示出しに焦点を当てた特集号です。頭部・胸部・腹部・心臓・血管・消化管など臨床的に頻度が高い部位のCTの指示出しや、dual-energy CT、小児撮影、注意を要する症例など少し頻度の少ない症例への対応も記載されています。
診断に直結!ルーチンMRIに加えるべき鋭い撮像
MRIの指示出しに焦点を当てた特集号です。頭部・頭頸部・肝胆膵・腎泌尿器・産婦人科・脊椎・骨軟部・胸部の各領域ごとに、エキスパートによって以下のような解説がなされています。
- 総論:各領域の標準的な撮像ルーチンプロトコル、およびオプション撮影の紹介
- 各論:症例毎のルーチン撮影での診断ポイント、および追加すべき撮像法の解説
ちょっと悩む画像検査のプロトコール
撮影プロトコルをちょっと悩むような疾患・分野(頭痛、肺癌CTでの肺結節、肺血栓塞栓症、肝結節、胆嚢・胆管病変、乳癌、小児画像診断)に焦点をあてて、それぞれの適正な画像検査と撮影プロトコールについて解説されています。
もし書籍で調べてもわからなかったら?
書籍で調べても、どうしてもうまい指示が組み立てられないこともあると思います。
そのような場合の対処法としては、以下のような対応をおすすめします。
- 上級医あるいは詳しい技師に相談する
- 過去に同じような依頼で撮影した症例を調べ、そのシークエンスを真似る
- (最終手段)どのような画像が欲しいのか主治医に尋ねる or 主治医が撮像プロトコルの参考にした文献を聞いてみる
まとめ
CT・MRIの指示出しは、診断の精度に直結する重要なプロセスです。
なぜそのルーチンが撮影されているか?を理解することは、各分野における頻度の高い疾患の画像所見を理解することにもつながります。
また、目的に応じて少しずつオプション指示出しの幅を増やしていくことで、放射線科医としての価値を高めていけると思いますので、少しずつ知識を蓄えていきましょう!
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